非営利でインターネット上のさまざまデジタルデータを、研究者や歴史家などのためにアカデミックな用途で保存することを目的として活動している「The Internet Archive」は、が、1980年代から1990年台前半までに発売された Apple II 用ソフト約500本を公開しました。
いずれもウェブブラウザー上で実行可能になっており、
パックマンやフロッガーといったゲームから学習用ソフトまでがそろっています。
これら大量のソフトは4amと名乗る匿名個人(または団体)が提供たそうだ。
コンピュータープログラムは、対応するハードウェアが使えなくなればその役目を終えてしまうものですが、4amはそれらの、特にマイナーなソフトのコピーガードを解除し、再び実行可能としたいため Internet Archive へ寄付することにしたとのこと。
Internet Archive では、4amから提供されたマイナーなソフトからメジャータイトルまで、あらゆるソフトをインターネット環境とブラウザーさえあれば再び利用可能としました。ブラウザーで動作させるためには、エミュレーターソフト MAME /MESS のJavascriptにポートされたバージョンを使用しています。
Apple IIはご存知の通り、故スティーブ・ジョブスらが家庭向けのコンピュータとして開発したパーソナルコンピュータ――日本ではすっかり“パソコン”で定着した――の始祖的な存在で1977年に誕生した。メディアとしては5インチのFDD(フロッピーディスクドライブ)が使われ、世界初とするパソコン向け表計算ソフト「VisiCalc」の登場によって広く普及し、ほかにもたくさんのソフトウェアが生まれた。今日のAppleを築いたPCとも言える。
前述の4am氏はこのApple II用のゲームといったソフトウェアをWebブラウザからプレイできるエミュレータとして公開しており、誰でも遊ぶことができる。なお、こうしたApple IIのソフトウェアにはコピープロテクションがかかっているが、4am氏はこれらをハッキングし、現時点では640個のソフトウェアが公開されているようだ。
4am氏のApple IIソフトの膨大なアーカイブは、こちらから!
貴重なソフトウェアとして保存するのが、いわゆる”Warez/割れソフト”ばかりになるのはなんとも皮肉な話です。それでも Internet Archive は貴重なソフトウェアをできるだけ忠実に “動態保存” し、ライブラリーを拡大したいとしています。そしてそれは Apple II ソフトが記憶の中だけのものとなることを防ぐことにもなっているようです。
ちなみに、Internet Archives は2015年初頭には MS-DOS ソフトの2400本を、今年2月にはWindows 3.1用のソフトを、ほかにも ATARI 用ソフトなどをブラウザー上で実行可能にして公開しています。